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  四季の健康
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●『生野菜=健康』神話の崩壊

■野菜の栄養素は、堅い殻に覆われた細胞壁の中に―

 「生野菜をいくら食べても健康にはなれない―」。
みなさんはこんな話を聞いたらどう思われますか? 「生野菜=健康」を信じ、毎日のように生野菜のサラダを食べている方にとっては、かなりショッキングな話でしょう。野菜は、私たち人間の健康にとって欠かすことのできない、多くの栄養素を含む食品。しかし、残念なことにそうした野菜の栄養素は、実は、生食ではほとんど摂ることができないのです。
 野菜のビタミン、ミネラルなどの栄養素は、どこに含まれているのでしょうか? それは、野菜の細胞の中にあります。もちろん、それ以外にも、細胞間に存在する成分(食物繊維など)といったものも多少ありますが、野菜の栄養的な価値のほとんどが、その細胞内に存在するといっても過言ではないというわけです。
 さて、「生野菜をいくら食べても健康にはなれない」理由ですが、私たちは生のままの野菜を食べても、その栄養素を消化・吸収できないからなのです。なぜなら、野菜の細胞は固い細胞壁(セルロース)で守られており、人の体内ではそれを壊すことができません。細胞のまま体内に取り込まれた野菜の栄養素は、人にその細胞を消化する酵素が備わっていないため、消化吸収されず、ただ、体内を通り過ぎ排泄されてしまうのです。ちなみに、牛、パンダ、コアラなどの草食動物は、野菜の細胞を消化する酵素「セルラーゼ」を備えているため、生の草の栄養素を取り込むことができるのです。

■激減する野菜の栄養価と、万病の素“冷え”を誘発する生野菜食

 「生野菜=健康」神話の崩壊は、生食では野菜の細胞内に含まれる栄養素を摂ることができないこと以外にも、いろいろとあります。例えば、野菜自体の栄養価がここ2〜30年で激減してしまっていることもその一つ。その原因として考えられているのが、●生育の早い品種の導入 ●ハウス栽培の増加、●旬を無視した通年栽培 ●肥料過多による糖分減少、などですが、こうした工業的な手法によって作られた現代の野菜から、昔と同じ栄養価を摂ろうとするなら、バケツ 1杯の野菜を食べなければならないと言われるほど、深刻な状況なのです。
 また、多くの医師や研究者が、「生野菜の食べ過ぎはカラダによくない」といった警鐘を鳴らしていることも見逃すことはできないでしょう。近年、低体温症や冷え性に悩む方(特に女性)が激増していますが、“冷え”は、万病の素であることはよく知られています。生野菜を食べることは、その“冷え”を引き起こし、ひいては疾病を引き起こす原因になってしまうと言うのです。
 東洋医学では、食材や食品が体を冷やすか、温めるかということを重視します(『食物の陰陽』)。冷やす性質を寒(陰)、温める性質を熱(陽)、どちらでもない場合を平といい、その組み合わせで体のバランスを調えようというわけです。
 生野菜としてよく食べられるキュウリ、トマト、セロリなどは、寒(陰)の食品の代表選手。冷え性の人が食べすぎれば、カラダはより冷え、体調を崩してしまいます。また、果物も生野菜同様に体を冷やします。特に、南国で取れる、バナナ、パイナップル、パパイヤなどは寒(陰)性が強いので、朝食代わりに...、などというのは言語道断。東洋医学的にも、“冷え”は全身の気や血、水の巡りを停滞させ、さまざまな症状を引き起こし、免疫力の低下を招く、万病の素とされているのです。
 現代の食品は、便利さや利潤を追求するがゆえに、化学的、工業的に精製、加工した食品や食品添加物が多く含まれています。食べ物は精製、加工すればするほど気を失い、体を冷やす作用が強くなります。その上に、生野菜とくれば、「カラダに毒」という言葉を納得していただけるのではないでしょうか。そもそも、生野菜を習慣的に食べるような国はめずらしく、日本においても、その歴史はたかだか2、30年ほどしかないのです。

 

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